『線がつなぐ』キャスト対談② -黒川智紀-

オブジェクトシアター公演『線がつなぐ』に出演するキャストの皆さんでの対談を行いました。
第二弾はマジックのクリエイターとして活動する黒川智紀さんの対談です。同じくマジシャンで所縁の深い橋本昌也さんにもご一緒いただきました。


ー簡単に自己紹介をお願いしますー

黒川:フラトレスはジャグリングの舞台と認識されてると思うんですけど、僕はマジシャン側の人間でして、普段はマジックをお客様に”演じる”っていう場面よりは、”作る”方がメインになるのかなと思っていて、普通のマジシャン像とはかけ離れた感じかもしれませんが、一応マジシャンということだと認識してもらえればと。
橋本:マジックにはパフォーマー(=演じ手)以外にも、クリエイター(=作り手)もいて、彼はそれも出来るし、あとはコンテスタント(=大会に出る人)として大会でたくさん受賞してたりする。僕の後輩にあたる方なんですが、そんな凄い人に『線がつなぐ』に出てもらうことになりました。

ー共演者とのつながりを教えてくださいー

黒川:まーさん(橋本さん)とは先輩後輩で、大学時代から知り合い。僕の二個上が橋本さんになるんですけど、だから橋本さんからマジック教わりましたし。
橋本:そうだったっけ?笑
黒川:そうだっけ?ってなるのは僕ら二個離れてるんですよね。やっぱ大学のサークルって一個上の先輩に教わることが多いじゃないですか? 直接じゃなくて見て盗んだ方が多いのかなって思いますね。その頃、まーさんもコンテストに挑戦してみたり、プロとして活動を始めようとしたりしてた時期じゃないですか。なのでそれ見て、こういう道もあるんだとか、こういう演技の作り方があるんだってのを自分なりに解釈して学んでいった時期なのかなって思いますね。
橋本:そうだね。僕が大学三回生の時に彼が入ってきて「すごい子が入ってきたな」みたいな感じだったんですけど、彼からはそう見られてたんだって聞いて、ちょっと恥ずかしいところはあるんですけど 笑

橋本:ちなみに宮田さんとは?
黒川:これ、まーさんも知らないと思うんですけど、実は一回がっつり合ってる日があって。もう3年前ぐらいだと思うんですけど、WJD(World Juggling Day)っていう催しがあって、そこに僕ゲストとして呼んでもらったんですよ。ジャグリングの舞台でマジックやるっていう変わったパターンだったんですけど。そこが初めて言葉を交わした日なんですよね。
橋本:へえ。
黒川:ただそれより前から宮田さんは知っていて、ギアとかフラトレスとか活動の面でも知っていたし、何よりHocus-Pocus(※同志社大学のマジック&ジャグリングサークル)っていう団体に所属していて、ジャグラーの知り合いがいっぱいいるんですよね。例えばフラトレスで言えばノエルさん(笹生明日香)とか。で、言葉を交わしていると僕が言ったことに対して「宮田さんもそんなこと言ってた」とか「宮田さんと考え似てますね」とかめっちゃ出てくるんですよ。で、宮田さんどんな人なんだろう?って思って。僕、滅多に人を誘ったりすること無いんですけど、宮田さんに「飲みに行きませんか?」って誘ったんですよ、僕から。あ、コロナの前ですよ。で、その一週間か二週間後に、夜の七時から飲み始めて、次の日の朝の七時までずっと二人で飲んでたっていうのが多分一番最初ですね。
橋本:僕、宮っちと飲んだこと無いんだけど、これどういうことなんだろうな。
黒川:

ーマジックをやる上でのこだわりは?ー

黒川:作品作るときにお客さんが不必要な違和感を感じないようにするっていうのは、他のマジシャンより気を付けてるのかなって思いますね。

黒川:演技の作りが結構丁寧と言うか、ここはこういう風に動く時に、こういう理由付けとかないとお客さん違和感感じるよねとか、でも前にこういうシーンあれば違和感ないよねとか。その辺他のマジシャンより丁寧にやってるのかなって感じますね。でもそれってすごく大切で、マジックって違和感を感じられた瞬間ってタネがばれる瞬間にもつながるから、元々ちゃんとした動きのガイドラインを用意して、この演者さんこう動くだろうなっていうお客さんの予測に沿って動いてあげれば、どこにタネを隠してもバレないんですよね。

ーフラトレスの印象を教えてくださいー

橋本:今までフラトレスの公演を観た事は?
黒川:実は一回しか観たことなくて、第2回公演の『白い花』それだけです。僕がそれ初めて観た時の印象は、僕は正直言ってあんまり楽しめなかったんですよ。で、何でかなって思って、周りのジャグラーたちは楽しんでたので。多分なんですけど、僕はジャグリングに関しては素人なわけじゃないですか。素人がジャグリングっていうワードを見たときに期待をしてしまうのって、「すげー!」とか「なんでそんなことできるの!?」みたいな、リスクを伴った動きを乗り越える凄さを期待しちゃうんですよね。でもフラトレスってそういうところに旨味がある団体ではないじゃないですか。僕ら素人が「なんか期待したのと違ったな」ってなるのは当然だと思うんですよ。でも事実、周りのジャグラーは楽しんでた。というのも、ジャグラーにとっては、色んなジャグリングを見てきて、だからジャグリングに対する欲求不満みたいな物足りなさをちょっとずつ感じてくると思うんですよ。それに対して新しいアプローチ、物珍しさが来ると、今まで身近に感じていたボールの新しい側面を見れると、凄い嬉しいことじゃないですか。自分の好きなアイドルのプライベート見れるみたいな。でも僕にとっては、ボールはただのボールであって、そこにリスクを伴わないとそれはただの物になってしまう。で、その時僕が感じたのは、こういう表現宮田さん好きじゃないと思うんですけど「ジャグリングと演劇の掛け合わせ」じゃなくて「ジャグリング”道具”と演劇の掛け合わせ」っていう風に感じてしまって、ジャグリング道具を愛している人じゃないと楽しめないのかなというのが、その第2回公演『白い花』の印象でしたね。でも僕も成長してるし、フラトレスさんだって絶対成長してるはずなんで、今だったら一人の作り手として客席に座ることが出来るんで、また違った楽しみを出来る気がしますね。

ー創作を進めてきての感想を教えてくださいー

黒川:僕らそれぞれできる仕事が違うじゃないですか。マジック・ジャグリングっていう垣根も勿論なんですけど、僕より宮田さんの方が圧倒的に凄いなって思うのは、”言葉”っていうものに向き合った経験は圧倒的に宮田さんの方が多いなって感じますね。そもそも僕はクロースアップマジックみたいな間近で喋るマジックもあんまりやってきてないし、小説とかも読まないし。でも宮田さんってこれまで演劇もやってたし、すごい”言葉”に向き合ってきた人なので、”言葉”に関しては僕は今後も一切口を出さない方がいいんじゃないかなと思ってますね。でも言葉だけじゃなくて、身体で表現するところは僕らからもアプローチ出来ることはあるのかなって印象ですね。

黒川:あと僕は集団劇をほとんどやってこなかったんですよね。その進み具合がどんなもんなのかが分からないですね 笑
橋本:ペースは掴みにくいよね。
黒川:これこのペースで大丈夫なのかな?とか、不安とワクワクが入り混じりながら稽古進めてますね。でも宮田さんと初めて舞台やって吃驚したのが、最初に「稽古は何日と何日にやって、合計何時間やります。で、この稽古は誰と誰が来て~」ってやってくれるじゃないですか。マジックの舞台ってそんなこと無かったじゃないですか今まで。
橋本:そうだね。僕、あれやってるのAIだと思ってるから 笑
黒川:笑。それだけ緻密に計算してるなら、最終的に完成するビジョンは見えてるんだなって思って、安心して足を踏み込んでるみたいなところはありますね。

ー最後にお客様にメッセージをー

黒川:勿論、ジャグラーの皆さんとかフラトレスファンの皆さんは、フラトレスっていうものを凄く信頼して観に来てくださると思うんで、僕らはそのマジック担当として新しい顔を見せれたらって思いますし、僕の事を元々知ってる方とかマジックが好きな方には、僕がこの道具やるんだとか、僕がこの演技するんだとか、ここでしか見れない黒川が見れると思うんで、そういうところも楽しんでもらえればと思います。
橋本:二日間限定の黒川君を観に来てください 笑
黒川:よろしくお願いします。

ーお二人ともありがとうございましたー


この記事では掲載し切れなかった対談の内容は、当団体のオンラインショップにて動画としてご購入・ご視聴いただけるようになっています。他も含めた4つの対談動画+お礼のメッセージ動画をセットにした内容になっています。公演のご予約とともに、是非ご購入ください。

次回は、当公演の主役を務める安東利香さん、稲垣愛弓さんの対談です。

【公演情報】
ジャグリング・ユニット・フラトレス produce
オブジェクトシアター公演『線がつなぐ』
作・演出 宮田直人、橋本昌也

日時:2021年11月20日(土)- 21日(日)
会場:大阪市立芸術創造館
出演:宮田直人、橋本昌也、黒川智紀、安東利香、稲垣愛弓、堀口楠日、長崎奈央子

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